CIとVIって何?|仕事百科

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グラフィックデザイナーを目指している人であれば「CI・VI」という言葉を目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。なんとなく意味はわかるけれど、どう使えばいいのかわからないという方向けに、今回は「CI、VI」という2つの言葉の意味についてご紹介します。編集・執筆 / KANAKO HONDA,  AYUPY GOTO

目次

  • 1. CIとVIって何?
  • 2. CIを意識したデザインとは
  • 3. CIとVIはどうして必要なの?
  • 4. 最後に

1. CIとVIって何?

CIとは、もともとコーポレート・アイデンティティ(Corporate Identity)の略称です。企業が自社の理念や特性を社会に共有し、企業内外に統一したイメージをつくることで、より良い会社をつくろうとする企業戦略のことを指します。
その様なCIの中で、企業の象徴となるシンボルマークやロゴタイプといった視覚(ビジュアル)の統一をしようという計画はVIビジュアル・アイデンティティ(Visual Identity)と呼ばれています。

つまり、VIとは、CIという企業戦略を構成する要素のひとつなのです。

CIを構成する要素は、VIの他にマインド・アイデンティティ(MI)、ビヘイビア・アイデンティティ(BI)と2つありますが、企業のイメージを効果的に伝えることができるVIは、CIの中でも中心的で目立つ存在です。そのため、「CIはシンボルマークやロゴタイプをつくること」と理解されることも多いのですが、それはCIの本質的な目的ではなく、CI計画を推し進めるための要素です。

<CIを構成する要素>

CI=MI(理念の統一)+BI(行動の統一)+VI(視覚の統一)

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2. CIを意識したデザインとは

企業のイメージを構築するためのCI計画のひとつとして、重要な役割を果たすデザインがあります。そうしたデザインの制作は、デザイナーの求人募集にもCIやVIといった言葉で多く使われています。

【例】求人情報

<職種>グラフィックデザイナー
<勤務地>東京○○区
<勤務時間>09:30~18:00
<休日>土日、祝日
<給与>18万
<仕事内容>CIデザイン等のグラフィックデザイナーのお仕事です。
CI(ロゴ、パッケージ、広告など)のグラフィックデザイン
・チーム作業
・Illustrator、Photoshopを使用

<職種>グラフィックデザイナー(VI経験者)
<勤務地>東京○○区
<勤務時間>09:30~18:00
<休日>土日、祝日、夏季、年末年始
<給与>経験、能力を考慮
<仕事内容>企業のロゴデザイン、アプリケーション
<資格>グラフィックデザイン(VI)の実務経験3年以上必須

このように、ただ「ロゴデザイン、パッケージデザイン」などではなく、「CIのグラフィックデザイン」や「VI経験者」と表記されるのには理由があります。
それは、「CIを意識したデザイン」がつくれることを最重要としているからです。CIを意識したデザインとは、CI戦略に基づき企業独自のイメージや理念をビジュアルで表現したデザインのことです。

<CIを意識したデザインを制作するには>

・企業のイメージをまとめる
まずはその企業の特徴や理念をよく知り、まとめることが大切です。

・企業が外部にどのようなイメージを持って欲しいかを考える
次に、企業がこれからどのようなイメージを周りに持ってもらいたいかを考えたり企業の担当者にヒヤリングすることで、その企業の将来のビジョンや独自の強みを見つけることができます。

・上記のことをビジュアルで体現出来ているか
一番重要なのは、他の人がそのデザインを見て、そのように感じるかということです。他の人に伝わらないのであれば、それはCIとして機能しません。

・使用方法にも注意する
ロゴを作成した場合、その使用方法にもルールを設ける必要があります。ロゴを使用するときに色を変えたり、比率や配置を変えてしまったら、イメージを統一するためにつくったロゴも意味がありません。同じロゴを同じように使用することで、CIを確立し企業をアピールすることができるのです。

また、基本的にCIとVIの関係性は変わりませんが、実際に使われる際に、CIとVIを以下のようにわけて使う場合もあるので注意が必要です。

<CI>
組織のシンボル、ロゴタイプなどのこと

主に法人組織、企業や会社など
<VI>
組織以外のシンボル、ロゴタイプなどのこと

商品のブランドやショップなど

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3.CIとVIはどうして必要なの?

CIとVIが必要とされているのには、大きくわけて2つの理由があります。

まず1つ目は企業の独自のイメージを構築することで、多くの人々に企業の存在を認識してもらうためです。似たような企業がたくさんあれば、外の人はその中の1つの企業を認識することはできません。そこで、たくさんある企業の中から人々に認識してもらうために必要なのが、企業のアイデンティティをつくるCIなのです。より多くの人々に企業を知ってもらうということは、品質向上や人員の拡大などにつながるため、企業が多くの利益を出すためにとても重要なことです。

2つ目は、企業の内部の人々の意識を高めるためです。同じシンボルやロゴタイプを使用したり、制服を使用したりと、VIを中心に企業のイメージを統一することで、企業内の全員がチームとなり一致団結することができます。また、外からもどこのチームに所属しているかがすぐに分かるため、自然と内部の人々も外を意識し、企業を背負って行動することになります。CIとVIは、その企業の顔となるものなのです。

このように、CIとVIによって企業の認知度と内部の意識が高まり、結果的により良い企業活動が行えるのですね。

4.最後に

いかがでしたか?CIとVIはイメージが似ているため、混同してしまいがちです。しかし、CIとVIの関係性を理解することで、より明確で目的を持ったデザインをすることができます。シンボルやロゴタイプを制作する機会があれば、確認としてもう一度CI、VIの役割や重要性を意識してみてはいかがでしょうか。

(2015.9.11)

著者

本田佳奈子

東京造形大学所属。グラフィックデザインを勉強しています。ひとりで映画を観ることが好きです。さいきんは海外ドラマにもハマっています。

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