クリエイターを知り、会社を知る。クリエイターが語る就活セッション「ボム」関東会場レポート!

2019年1月13,14日の2日間、横浜ランドマークタワーでクリエイティブ就活トークセッション「ボム」を開催しました。当日は、参加者から「HPや企業説明会で知れない生の情報が得られた!」「今すぐ実践できる考え方を知れた」「とても堅苦しい就活のイメージが、少しほどけた気持ちになった」……という感想があがり、就職活動だけでなく、デザイナーとしての歩み方そのものについて考える機会になったようです。さっそくインターンシップや選考に進んだ方もいるそうですよ。
クリエイターによる会社説明、制作のお話。関西会場に参加しようか迷っている方や、関東会場へ行けなかった方は、ぜひご覧ください!編集・執筆 /YOSHIKO INOUE

● クリエイターだけの就活トークセッション「ボム」とは?


「ボム」は、登壇者が全員クリエイターのトークセッションです。テーマは「就活」
就活イベントといえばまず思い浮かぶのは「合同企業説明会」じゃないでしょうか。私達ビビビットは、いつでもどこでも聞ける「合説的な話」ではなく、就活が始まるこの時期にこそ知ってほしい「”デザイン”を仕事にする魅力」をお届けしたいと思い、このイベントを企画しました。
登壇するのは、広告、ゲーム、映像などさまざまなクリエイティブ業界の第一線で活躍するクリエイターの皆さん。クリエイター目線で制作物・働き方・会社についてのお話を語っていただきました。
セッションの内容は、登壇者の方に講演と、ビビビットの代表小宮との座談会。いつもの合同企業説明会では聞けないお話も、ビビビットから学生目線でお尋ねしました!
参加者からの質問も活発に出て、セッションは大いに盛り上がりました。

ボム【関西会場】は2/9.10!予約はこちら

● 関東会場のセッションをレポート!

特別トークセッション:株式会社TTR(旧:TYOテクニカルランチ)

テクノロジーも進化し、映像業界はさらにおもしろくなっている!
制作物で人の気持ちを動かせる、魅力的な業界です


「ボム」最初のセッションは、TTRさん。クリエイティブディレクターの田内さん、VFXスーパーバイザーの渡部さん、コンポジターの山﨑さんにご登壇いただきました。始めにTVCMの制作フローやポストプロダクションの役割等についてお話いただき、続いて就職活動の話題に。「大学時代アニメにハマっていたことが、映像業界に興味を持ったきっかけ」「学生時代は映画もゲームもアニメもCMもつくりたかった!CGでいろんなものをつくりたいけど知識が足りない、だけどプロになりたい……。漠然と就活をしていた」など、参加者の皆さんが今直面している悩みや迷いに寄り添ったお話がありました。また、渡部さんからは、フリーランサー時代のお話も。現職のお話だけでなく、映像業界で働く御三方の、さまざまなキャリアについて伺うことができました。
▼対談で出たお話

Q. ポートフォリオを評価する際、どんなところを見ていますか?
A.
映像作品は、静止画を一枚載せるより、映像作品をそのまま見た方がわかりやすい、という側面はやはりありますね。ただ、映像を見るだけでは説明しきれない部分もあるはずなので、それを紙面に載せると良いと思います。
またPDFで提出するときは、「URL」を記載するのがおすすめです。

Q. 実際のところ、映像業界の労働環境はどうなのでしょうか?
A.
労働環境は一昔前とはかなり変わり、徹夜もありません。環境が変わった理由は、テクノロジーの進化も大きいですね。新しく使える機材も増え、3年前に2時間かかっていたものがいまは10分で仕上がるような作業もあります。
入社の時点でAfter Effectsが触れる人が多くなっていたりとレベルが高くなっていることもあり、業界全体がレベルアップしていると思います。

 
 

スマホゲームセッション:コロプラ/ディー・エヌ・エー

人生で就活をするのなんて初めてのはず!
やりたいこともポートフォリオも、少しずつ答えを見つけて。


就職活動中は、「将来やりたいことは?」とよく聞かれます。ディー・エヌ・エーさんからご登壇いただいたデザイナーの坪井さんは、就活生当時やりたいことがたくさんあり、決めきれなかったそうです。そこで、自主制作では「今描きたい!と思ったもの」を制作し、学校課題では「挑戦してみたい表現」に取り組んだそうです。「今、やりたい!描きたい!」と感じたものに取り組み、それを続ければ次に繋がるというお話が心強かったです。
コロプラさんからご登壇いただいたデザイナーのAさん(本名非公開)は、会社について、そしてご自身が携わったゲームの案件について詳しくお話いただきました。制作フローのお話では、Aさんにとっての”完成”は「デザインが仕上がることではなく、”リリースされ、ユーザーさんに喜んでいただくこと”。」と仰っていたのが印象的でした。参加者のアンケートからは「自分がプレイしたことのあるゲームのお話だったのでとても感動しました。」という感想があがりました。

▼対談で出たお話

Q. 説明会や就活イベント等で、100%完成していないポートフォリオを見せても良いのでしょうか?
A.
みんな、人生において”就職活動”なんて初めてのはずです。最初から完成なんてできるわけないし、イベントや説明会は選考ではないので、どんな状態でもつくったらまず見せることをおすすめします!

Q. 忙しさはどうでしょうか?
A.
学生生活でも、忙しい時期とそうでない時期の波がありますよね。それと同じで、考える時間は長いけれどリリース前は楽など、メリハリがあります!朝決まった時間に起きるのは大変ですが(笑)、フレックスを使って少し遅い時間に出勤することも可能です。

 
 

特別トークセッション:Cygames

ゲーム業界志望なら、ゲームから遠いコンテンツにも興味をもってみよう!

Cygamesさんからは、執行役員兼クリエイティブディレクターの三ツ間さんと、ゲームアートディレクターの佐々木さんのお二人にご登壇いただきました。クリエイティブディレクターの三ツ間さんは、印刷会社や受託ゲーム会社などを経て、現職に就かれたそう。それぞれで学んだこと・いまの仕事で活かされていることを教えていただきました。現在は、クリエイターをサポートする立場として、「頑張った人が育ち、チャンスを掴んで活躍するのを見るのが楽しく、大きなやりがいの一つ」と語りました。

ゲームアートディレクターの佐々木さんは、四年制大学の出身。ゲームが大好きで、学生時代は趣味でゲーム制作を行っていたそうです。イラストからプログラミング、サウンドまでを独学で行っていたとか。「ものづくりで人に楽しんでもらえる仕事したい」という思いでゲーム業界を目指しました。
入社後は、トライアンドエラーを繰り返しながら、幅広いデザインスキルを身に着けていきました。Cygamesのクオリティ基準のアドバイスを日常的に受けられる環境が、自身の成長に大きな影響を与えたそうです。
▼対談で出たお話

Q. ゲーム業界を目指す学生さんへメッセージをお願いします!
A.
ゲーム業界志望の人も、ゲーム以外のコンテンツにも積極的に興味を持ってほしいです。世の中には、映画や演劇、本……、さまざまなコンテンツが溢れています。仕事となると、自分が見てきたコンテンツより、さらに面白いものをつくり、選んでもらわなければいけません。仕事が始まると、インプットの時間を確保するのは意外と難しいです。学生時代に、アニメや漫画から遠いところのコンテンツにも触れて、アイデアの引き出しを増やしてみてください!

 
 

広告業界トークセッション:SEESAW/たき工房

就活も制作も、合わなかったらどんどん次へ。
10年先の自分のために、いろんなことにチャレンジしよう


SEESAWさんのクリエイティブディレクター・村越さんからは、自社説明の後、ご自身のキャリアについてをお話いただきました。多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、博報堂に入社……と、デザイナーとして華々しいキャリアを歩みながらも、ご本人としては大学時代、会社員時代と、いくつもの挫折を味わってきたのだとか。そんな時は、「他の人とちょっと違う行動を取り、自分だけの強みを見つけて成長」させていったそうです。これから就活を始める方にも、「長い目で見た時に、自分がオリジナルな人材になれる職場選びをしてほしい。」とエールを送りました。
続いてご登壇いただいたのは、たき工房さんのクリエイティブディレクター・藤井さん。グラフィックデザイン以外にも、プロジェクト活動など多角的にデザインに携わっておられます。「”誰のため、何のため”のデザインかがはっきりしているほうが、時代性に合っている。デザイナーだけじゃなく、社会全体が幸せになるようなデザインが求められています。」と語りました。大学時代は彫金を専攻していたそうで、なんと当時のポートフォリオも見せていただきました!
▼対談で出たお話

Q. 広告代理店と制作会社の違いはどういったところでしょうか。
A.
広告代理店の仕事に求められるのは、企画力や、周りの人をどう動かすかというところだと思います。一概には言えませんが、大きな設計図を描いて指示出したい人は代理店、ディテールにこだわるのが好きな人は制作会社が向いている……という考え方もあるかもしれませんね。

Q. ポートフォリオを評価する際は、どんなところを見ていますか。
A.
作品のクオリティとともにバランス感覚も見ています。作品ジャンルのバリエーションや、柔軟に流行りものができそうか……といったところです。楽しんでいろんな領域に取り組めそうな人の方が、伸びそうだと感じますね。

 
 

UI・デジタルプロダクトセッション:サイバーエージェント/ディー・エヌ・エー

若い頃は、大量の良質な経験が大事!
たくさんあるインターンシップも、ぜひ行ってみて


サイバーエージェントさんからは、入社3年目のデザイナー・竹原さんが登壇。就活時代、会社選びの一番の決め手は「会社の雰囲気が自分と合うか」。入社後は「若手にたくさんのチャンスがある」「自分の個性を表現できる」「デザイナーならではの提案を尊重してくれる」、そんなところに魅力を感じながら働いているそうです。ポートフォリオの制作時期や内容についても詳しく解説いただき、「レイアウトや文字詰めで、デザインスキルや作品の扱い方が伝わります!」と語りました。

続いてディー・エヌ・エーさんからは、プロダクトデザイナーの久田さんにお話いただきました。広告制作やサイト制作のコンサルティングなど、さまざまなお仕事を経て、現在ではアプリの企画・デザイン〜改善まで行っておられます。若い頃に必要だと思うことを「大量の良質な経験!」とし、「自分の実力よりちょっと上のチャレンジや、新しい分野・刺激になる人やプロジェクトの方へ、どんどん向かってください。」と語りました。
▼対談で出たお話

Q. ポートフォリオに入れるテキストと作品のバランスについて教えてください。
A.
自分の作品をわかりやすく見せることが第一ですが、作品だけでも良くないですし、作品のテキストばかりでも読みづらいです。トゥーマッチにならないように、過去の事例などを見ながらバランスを見ると良いと思います。デザイナーの方は文字詰め等もしっかり見ているので、頑張りましょう!

Q. インターンシップには行ったほうが良いのでしょうか?
A.
インターンシップに行くことで、社内の雰囲気や、その会社で経験できることがわかります。1DAY〜の短期間のものも良いですが、長期間のものや就業型のインターンシップで、体験して初めて実感できることも多いですよ。

 
 

特別トークセッション:博報堂「言葉とデザインで人を動かす」

デザイナーは、世の中にはない、新しいものを生み出すことが求められる職業


博報堂さんの特別セッションでは、クリエイティブディレクターの長谷部さん、アートディレクターの倉田さん、デザイナーの平井さん、コピーライターの今井さんの4名にご登壇いただきました。実際に手がけた制作実績を紹介しながら、「デザインという単語は、分解するとDe(反対)Sign(常識)。デザイナーは、まだ世の中にはない、新しいものを生み出すことが求められる職業です。」「デザインやコピーを通して、クライアントと社会を結び、動かす、社会記号である。」というお話があり、デザインとは何か、社会にどんな影響を与えうるのかを語り合っていただきました。
セッションの後半は、質疑応答の時間に。広告代理店へ入るために今からできることを尋ねられると、「問われたことに対し、絶対に諦めず、なんとか新しいことを発想することが求められます。いろんな経験をして、いろんな人に会って、知識と見識を身につけましょう!」という回答がありました。
また、コピーライティングの力を鍛える方法として、「周りの人100人のキャッチコピーを考える」というエピソードも。「コピーを考えるときは”みんなに向けて”と発想しがちだけど、”具体的に届けたい人を明確にし、客観視する”こともとても重要」と教えていただきました。

 
 

特別トークセッション:コンセント

”自分の軸”が定まったら、ポートフォリオでも面接でも伝えよう。
あなたが活躍できる会社は、絶対にあるはず!


コンセントさんのセッションでは、始めに取締役の大岡さんから会社説明があり、中堅・若手デザイナーの方三名に、仕事や就活についてを語っていただきました。
「サービスデザイン」分野の黒坂さん・「コミュニケーションデザイン」分野デザイナーの佐野さんからはお仕事のお話を、「コミュニケーションデザイン」分野ディレクターの大村さんからは「就職活動で伝えたい、”自分の軸”を見つけることの大切さ」についてお話がありました。
2019年現在新卒2年目の大村さんは、就活当初は「ものづくり・デザインに関わる仕事をしてみたい」という、漠然な思いから始まったそうです。しかし面接等でいろんな企業と関わるうちに、ものづくり・デザインの中でも”WEB””新しい分野””いろんな仕事”がしてみたい……と、希望が明確になっていったと語りました。「”やりたいことの軸”が定まると、いろんな機会にも恵まれ、迷わずに選択・決断する手助けとなります。」と、就職活動でも、仕事が始まっても、意識しておきたい考え方を教えてくれました。

▼対談で出たお話

Q. コンセントさんを受けるときのポートフォリオは、どんなところを意識しましたか?
A.
ルーツが編集デザイン会社のため、ポートフォリオ1冊にストーリー性が伝わるよう、仕上げました。冊子のデザインはフォーマットを意識して作品を掲載していきました。冒頭では、”自分のデザイン観”を記載しました。
同じ作品でも、見せ方次第で自分の強みやできることの印象は変わります。ポートフォリオで何を訴えたいのか、どういうプロセスでこの作品に至ったのかというところまで表せると良いと思います。(入社4年目デザイナー・佐野さん)

Q. これから就職活動を始める学生へエールをお願いします!
A.
ご自身が活躍できる会社は、絶対にあります。仮に、1年で結果を出せなくても、5年・10年後になりたい自分になるために今の自分がある……と捉えて良いのです。
お見合いと一緒で、”自分が会社を選んでいる”という感覚で就職活動を行うと良いと思います。自分の強み・したいことを前に出して、自信を持って頑張ってください!(取締役・大岡さん)

● 京都でも出張開催!クリエイター志望の方は、ぜひお越しください。


クリエイターのための就活トークセッション「ボム」は、京都でも開催いたします!関西会場では、先輩ポートフォリオを展示するブースも用意。クリエイターのお話を聞いて、最新の内定者ポートフォリオを見て、前向きな気持ちで就職活動に臨みましょう!
お友達とお誘い合わせのうえ、予約をしてご来場くださいね。お待ちしております!

ボム - 関西会場 -

【会場】みやこめっせ 第二展示場A面
京都府京都市左京区 岡崎成勝寺町9−1 1F Googlemap

【日時】
2019年2月9日(土)/2月10日(日) 

【対象】
2020~2022年卒業予定の学生

【参加方法】
特設サイトより予約必須(各セッションごとに先着順です。)
ボム@京都 予約ページへ

▼ポートフォリオ添削や質問でたくさんの人が集まっていたコンセントさんのブース。

● 最後に

ボム・関東会場に参加した学生さんからは、次のような感想が寄せられました。

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会社全体でなくクリエイターの方個人のお話を聞ける貴重なお時間でした。
(桑沢デザイン研究所・3年生)
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会社説明会とかでは聞けない、クリエイターとしての生き方や新しい事案について聞けたので楽しかったです。最近は、自分の人生の長期スパンでのデザイナーとしての生活について考えることが多いので、目先の就職以外のこともよく聞けて、とても自分のためになりました。
(多摩美術大学・3年生)
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普通であれば聞けない話がたくさん聞けてよかった。一層志望度が上がった。
(武蔵野美術大学・3年生)
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絶対に紙媒体のデザイナーになると決めていたのですが、今回のセッションに参加して、デジタルも面白いと思いました。お話を聞いているうちにわくわくしたので、ぜひ周りの人にも聞いてもらいたいです。
(山脇美術専門学校・2年生)
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新卒2年目の方のお話が聞けて良かったです。自分に近い年齢の方のお話で、すごく生々しい話が聞けたので、不安が少し減りました。
(横浜美術大学・3年生)

 
今回参加いただいた学生さんも、読者の皆さんも、これからさまざまなキャリアを選んでいくと思います。情報を取捨選択し、自身に合う会社を見つけるには、まずは自分の好きなことや得意なこと、取り組んでみたいことを見つけてみましょう。作品やポートフォリオを制作したり、いろんな会社の選考やインターンに参加したりと、何か行動を起こしてみると、きっと少しずつ見えてくるはずです。
新卒で入る会社は、ご自身のデザイナー人生を歩む第一歩。たくさんの経験と学びが得られる、ビビビッとくる一社が見つかりますように!
ボム@京都(2/9.10)に参加する!

 
 
(2019.02.08更新)
(2019.02.01更新)

(2019.1.31)
Yoshiko Inoue

著者紹介

井上佳子Yoshiko Inoue

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。メディアを通し、制作活動やデザイナーの就活に役立つ情報を発信していきたいです! Twitter
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