展示してからじゃ手遅れ?卒展を安全に進めるために知っておくべきこととは

sotutm

1月も後半に差し掛かり、美大・芸大・専門学校の学生の多くは、卒業制作の卒制審査会を終え、卒業制作展に向けて準備に追われる日々かと思います。
卒業制作展は学校生活最後の1年をかけて制作した作品の見せ場です。しかし出展者は、華々しい展示会に潜む危険性について正確に認識しないといけません。今回は卒業制作展に潜む危険とは何か、その対策についてご紹介します。
編集・執筆 / Haruna Kawanabe, AYUPY GOTO

目次

  • 1.卒展で止まらない問題とは
  • 2.卒展を取り巻く危険
  • 3.危険から守るため準備期間から対策しよう
  • 4.最後に

1.卒展で止まらない問題とは

大学の名前を背負って展示する

卒業制作展は(以下、卒展)、学校で学んできた集大成を作品に落とし込み、展示する機会になります。特に卒展といえばクリエイティブ系の学校において注目度の高いイベントです。
そのため規模を問わず卒展は、問題があった際の被害は参加者にとどまらず大学関係者にも及びます。

内定を出した企業にも問題が及ぶ可能性がある

卒展は大学、学科、作者名が特定しやすいため問題が起こった際にネット等で個人情報が流出する可能性が非常に高いです。問題があがるのは在学中だけではなく、社会で活躍した後の場合もあります。その際は大学にとどまらず就職先の企業にまで被害が及ぶ可能性があります。

2.卒展を取り巻く危険

上記で紹介したように卒業制作展で問題が起こり、ネットに情報が流出した場合、制作者はもちろん周囲の関係者まで巻き込んでしまいます。では、実際どのような問題があるのでしょうか。

著作権にかかわる問題

近年クリエイティブにおいて盗作問題が話題に上がっています。作品に利用する写真や画像についても言及される事例があります。

ネット上での炎上事件

作品に問題があるかどうかに関わらず、悪意や利益を求めてネット上に作品を流出させ、炎上させる人がいます。卒展カタログ等から個人のSNSアカウントなどの個人情報を見つけだされ、晒されることも珍しくありません。

展示中の事故

大きい作品や倒れやすい作品、熱を持つ作品が想定外の事故を起こす可能性があります。

3.危険から守るため準備期間から対策しよう

展示当日に起こる問題だけでなく、その後に問題が発生する場合があります。しかし、それら全て展示当日までに対策を取ることができます。その対策案の一部をご紹介します。
学校や学科によって展示や広告形態は様々だと思います。それぞれが展示作品にあった対策をする必要があります。

権利問題について調べよう

著作権法において教育機関の授業過程とみなされるものに著作物が使用される場合、許容範囲であれば著作物の複製が許されています。しかし営利目的が含まれる場合は問題になります。
著作権の他にも知的財産権に属する権利や決まりが創作物にはあります。権利元への確認や参考作品の明記を入れることで盗作疑惑等は避けられる可能性があります。
学生のうちから知っておこう。クリエイターを守る法律や権利

学生のうちから知っておこう。クリエイターを守る法律や権利|その2

炎上問題とは何か理解して予防しよう

自分には一切の非が無いくとも、悪意を持つ人によってネット上で叩かれ炎上する危険性があります。ネット上に流出した情報は完全に消すことが難しいです。SNSやブログ上では、住所や企業に繋がる情報をできるだけ控えるようにしましょう。

展覧会全体で取り組める注意点
ネットへの転用や掲載を禁止を呼びかけることで、サイトに掲載された画像を取り下げてもらうこともできます。また、画像を編集されるケースもあるので展示風景や作品の写真、データは手元に残しておきましょう。

自分の作品を炎上問題から守る対策方法とは?

事故対策には距離を考えよう

いつもと違った環境で数時間も展示をすることになると思います。電球のように発熱作用のある素材を使用する場合は周りに置かれるものや合わせる素材に危険がないか確認しましょう。また展示時間外は必ず電源を切るなど、対応を心がけましょう。

展覧会全体で取り組める注意点
大きな作品や熱を持つ作品など危険性が高い作品を展示する際に、来場者が作品に近づきすぎないように呼びかけるか、または危険性を明記するようにしましょう。

sotutentm1

4.最後に

多くの学生にとって大きな意味を持つ展覧会です。準備をする学生の方々も誠心誠意、楽しんでもらえるような展覧会に向けて準備をしていると思います。また、来場者の方も毎年恒例の楽しみとして待っていらっしゃいます。
しかし、近年クリエイティブ関係の学校関連で悲しい話題が相次ぎ、残念ながらそこに付け込もうとする人が増えました。
そんな流れに負けず、学生の方々の素晴らしい作品や展覧会に向ける熱い思いが報われるよう、万全の準備を持って取り組んでほしいと思っています。

(2017.1.26)
HarunaKawanabe

著者紹介

川鍋春菜HarunaKawanabe

多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコースに 所属しています。UI/UXやサービスデザインについて勉強しています。 趣味はアニメ、アナログゲーム、デジタルゲームなどなど。
記事一覧へ