ゲーム企業面接対策に。技術力だけじゃない!アピールすべき5つのポイント

デザイナー志望のなかでも、志望者が多く人気の高い「ゲーム業界」。ゲームクリエイターになるには、何が求められていると思いますか。高い技術力ももちろんですが、それだけではないようです。

美術大学と専門学校で就活を2回経験した筆者は、試行錯誤しながらも最終的に大手含め5社の内定を獲得することができました。そこで得た知見をシェアします!

・ゲーム業界で就職活動をしているけどうまくいかない
・ポートフォリオを制作したけど書類選考が通らない
・面接でスキル以外にアピールできることが無い

そんな方にぜひ参考にしていただきたいです。

執筆 chijin-b / 編集 YOSHIKO INOUE

【筆者プロフィール】

●美術大学日本画学科卒業。大学時代の就活ではゲーム業界の書類選考もほとんど通過せず、面接はすべて不合格。アピールの仕方がわからず結果が出ず、苦戦していた。

●大学院と専門学校どちらに進学するか迷った末、「ゲーム業界で通用する人材になる」と決心してCGに強い専門学校に進学。

●専門学校進学後は就職を意識した制作を重ね、OB訪問・面接・フィードバック会にも多数参加。2025年卒の就活ではゲームデザイナーとして5社に内定をいただいた。

就活中は「企業が求めていることはなんだろう」「何をアピールすべきで、何が評価されているのだろう」と繰り返し考える日々でした。そんななかで「企業が新卒社員に求めていることはスキルがすべてではなく、エンタメ全体/世間への関心・理解のアピールも大事だ」と気づいたことが、内定を得る大きなきっかけになったと思います。特に難関ゲーム企業は、技術面の対策だけで必ずしも通用するわけではないようです。
約30社の選考・説明会を受けながら気付いたこと、内定獲得した友人と情報交換したこと、ViViViTを運営する株式会社ビビビット社員さんに取材したことをまとめてみました。

技術力だけじゃない!ゲーム企業で評価している5つの視点

1. 技術力

多くのゲーム会社では面接の前にポートフォリオ・作品選考があり、それ次第で次の選考に呼ばれるかが決まります。第一関門である技術選考を突破するには努力あるのみなので、企業が求める絵の幅、モチーフなどをリサーチしながら作品を増やし、自己研鑽していきましょう。
私がリサーチした、職種ごとの技術力向上のための対策ポイントも記載します。

2Dキャラクターデザイナー
ただ単にイラストを描くだけではなく、老若男女、世界観に合わせたキャラクターの雰囲気や衣装が“デザイン”出来るか。人体構造の破綻はないか。

2D背景デザイナー(コンセプトアート)
人工物、自然物の描き分け、世界観に合わせたデザインの提示ができているか。

モデラー
質感の描き分けができているか。ライティングやポリゴン数についての掲載も必要

アニメーター
人体の動き、重心、稼働領域の理解ができているか。

エフェクター
自然現象や科学に関する知識、造形力があるか。

2. デッサン力

デッサンの提出は多くのゲーム企業で求められます。デッサンは“観察して描く”行為です。「観察」を細かくすると
・空間把握能力
・量感
・質感の書き分け
・光源の意識
・立体感
これらの情報に分解できます。提出したデッサン一枚で「作者の観察力がどの程度か見極められる」と考えましょう。

受験期のものを載せている人も多いですが、デッサン受験をしていない方も、自信がなくても数枚載せることをおすすめします。いざ就活となったときに、求人票を見て初めて「ポートフォリオにデッサンが必要だった!」と気づくのはもったいないので、気付いたときから重点的に取り組んでおくと良いです。3Dアニメーターやエフェクター職の場合も、デッサンが得意な場合はさらなるアピールになるでしょう。

3. ゲーム制作経験

ゲーム会社に入社したら、私たちは何を作りますか?

「ゲーム」ですよね。

ゲームへの愛をアピールしたいならば、「ゲームの制作経験」はかなり大事だと思います。ゲーム会社の人のお話を聞くと、プランナー職やプログラマー職と比べて、デザイナー職志望の方は、ゲームの知識が少ない人が多くゲーム制作している人も少ないという声を何度か聞きました。ということは、デザイナー職志望でゲーム経験があると、大きなアドバンテージになると考えられます。

ゲームを作ることで、ゲーム制作全体の流れや規模感を理解でき、積極性をアピールできます。
多くの場合、【プランナー、デザイナー、プログラマー、サウンドエンジニア】の役割分担のグループワークで制作します。周囲にいない場合は、「ハッカソン」などのイベントも活用すると良いと思います。

4. コミュニケーション能力

ゲーム業界のお仕事は、自分の好きなことをもくもくと作業というよりも、会議だったり相談だったりが常に行われているようです。そのため、チーム制作があることのアピールは、評価につながったと思います。チーム制作経験はポートフォリオにぜひ載せましょう。あなたが積極的にコミュニケーションを取ってきたことが企業に伝わるはずです。

5. ゲームだけでなくエンタメへの興味や流行を理解

ここが、技術面ではないけれども、特に大事なポイントです。選考の最終段階では、「好きなゲーム」だけでなく「いま人気のゲーム」「世間で流行っていること、注目されていること」への関心・興味・理解も見られていると思いました。ゲームをプレイする人、いわゆるユーザーに視点を当てて、どんなものが良しとされているかを理解することが重要です。また、ゲームだけでなくエンタメ全体を俯瞰し最新技術や流行に敏感であるかどうかを見ています。

10年前と比べても、最新のゲームは自由度が高く、さまざまな技術や表現を取り入れられていますよね。だからこそ既存の作品や物にとらわれず、新しいものを吸収する力が必要です。

今すぐできること、筆者が行ったこと

映画(洋画、邦画、フランス映画、インド映画)、ドラマ(邦ドラマ、韓国ドラマ‥)、映像(アニメ、広告、MV…)、音楽(洋楽、邦楽、アニソン)、ゲームetc……自分が今まで触れてこなかったエンタメ作品に触れてみましょう。

・近年の流行作品はどんなものか
・良い部分
・悪い部分
・自分ならどんな風に作り変えるか(実践できなくても良いのでクリエイター視点で考える)

という視点で見てみてください。さらにそこから、業界のニュースや世代ごとの流行などが分析できると良いです。消費者がどんなものに興味を持っているか分析し面接の中で伝えられるよう対策しましょう

「人とどのようにコミュニケーションを取ってきたのか」は、ゲーム業界の選考において本当に注目されています。ゲーム作りにおいてコミュニケーションはとても大事です!

例えば.....
ボランティア
映像制作
文化祭
ゲーム制作 etc....

息抜きでも、遊び感覚でも良いので取り組んでみてください。学内ではなく学外で自主的に行った活動の方が企業からの評価は高いです。

メンバー(プランナー、デザイナー、プログラマー、サウンドエンジニア各最低1人)がそろえば、基本的に簡単なものであれば1日でゲームは制作可能です。他学科との交流に挑戦し誘ってみたり、ネットや知り合いからたどるも良し。ゲーム制作経験があれば、すでに周りより、一歩進んでいることになります。

私は学生時代、具体的には下記に取り組みました。同じようなことをしていて、ポートフォリオやアピールポイントとして取り入れていない場合は、ぜひ取り入れてみてください!

・大学の文化祭(副代表)
・ボランティア活動
・アルバイト(オリエンタルランドエイジング塗装、角川大映スタジオでのドラマの舞台セット制作)
・展示のイベント班代表
・絵本作家の展示会企画、デザイン
・伊豆スケッチ旅行の提案、その後グループ制作から展示
・ゲームジャム制作経験2回
・自身の発案でライブ映像の制作
 
 

ポートフォリオには自分が制作したものだけしか載せてはいけない。なんてルールはありません。アピールになることは積極的に載せることをおすすめします!今からでも遅くないです。自分がいまできることを精一杯して、アピールにつなげてくださいね。

(2024.6.14)

著者

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知人B

美術大学卒業後、CGの専門学校に進学。 来年春からはゲーム会社のデザイナーとして入社します! 誰かと誰かを繋げられるようなゲームを作りたいと思います!!!

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