デザイナー就活生のための企業研究方法――企業と自分の共通言語の見つけ方

「なんとなく興味のある会社はいくつか見つけたけど、どのようにデザイン業界の会社のことを調べればいいのかわからない……」就活が本格化していく中で、そんな風に思ったことはありませんか。企業研究をしっかり行うと、その会社の理解が深まると同時に、自分の志望度や志望理由を明確にすることができます。この記事では、デザイナー志望の学生向けに、デザイン業界の企業研究のやり方をご紹介します!編集・執筆 / MAKO WATANABE,YOSHIKO INOUE,
取材協力 / XUANYI LI

もくじ

1.企業研究ってどうやるの?
2-1.会社とわたしの共感ポイントを探る
2-2.会社への効果的なアピール方法を考える
3.最後に

 

1.企業研究ってどうやるの?

企業研究とは、就活で特定の企業について調べ理解を深めることです。企業の考え方や働き方を知ることで、その会社への志望度や志望理由を確認できます。
企業研究で大事なことは、自分のやりたいことや考えとすり合わせながら企業理解を深めていくことです。この理解が十分でないと、入社後に「周りと考えが合わない」「会社が向かう方向性に共感できない」「会社が提示するキャリアプランと自分のなりたい像が違う」などモヤモヤが起こり、仕事のモチベーション低下につながってしまいます。

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企業研究を効果的に行えば「①その会社と“自分のやりたいこと”はマッチしているか」「②会社への有効なアピール方法」がわかり、企業に合わせたポートフォリオづくりや面接対策ができます。
それでは、効果的な企業研究の進め方を2つの切り口で見ていきましょう!

 

2-1.会社とわたしの共感ポイントを探る

まずは、企業に「共感できるポイント」を探しながら情報収集していく方法です。「私もこんなものを作りたい」「こんな制度があったら働きやすそう!」「この先輩社員と、私が考えるデザイナーとしてのキャリアプランは同じだな」など、共感できるポイントが増える程その会社でないといけない理由が明確になっていく(=志望度が高まる)はずです。
具体的な方法を挙げていきます。

(1)企業の考え方を知る

● 企業理念やビジョンを理解する

企業サイトを開くと、ぱっと企業理念が目につくサイトが多いですよね。企業理念を読むと、その会社の基本的かつ一番大事にしている考え方がわかります。そのメッセージに共感できるか、より共感できる会社はどこか探してみましょう。

ただ、企業サイトは会社全体のメッセージを語っているため、抽象的で自分ごとにしづらい表現のことも多いです。より自分の仕事に直結する情報が欲しい場合は、その会社のデザイナー特化の採用ページやデザイン部のブログなどを調べてみてください。デザイナーとして企業理念をどのように受け止めればいいのかヒントが得られるはずです。
また説明会や面談で「企業理念の〇〇という考え方は、デザイナーのお仕事にはどのように影響しているのでしょうか。」と質問するのも良いと思います。

 

● 社長や社員の発信を見る

リーダー本人の言葉を日常的に受け取れるSNSやブログからは、社長の発言を通して会社の考え方や方向性がわかります。規模の小さい会社であれば、仕事で社長やリーダー層と直接関わる機会が多くなると思います。一緒に仕事をする人がどんな人か知れる媒体はぜひ活用しましょう!

また面接の前に社員の方と話す機会がない場合も、SNSがあればどんな人なのか気軽に見ることができます。特にTwitterではIT企業や広告会社、ゲーム会社などいろんなデザイナーが発信を行っています。会社名を出して発信をしている人もいますので、SNS内で「○○○(企業名) デザイナー」など検索してみましょう!
※一部の社員の方の発信のみでその会社のすべては判断できないため、他の項目と合わせて活用しましょう。
 


 

● 社員インタビューを読む

企業サイトに現役社員のインタビューがあれば、ぜひ読んでみましょう。どんな人が働いているのか知ることができます。社員インタビューに登場する方は人事部から「活躍している社員」として選抜されている方なので、企業が求める人物像を知るヒントにも。
自分と同じような考えや性質の人が見つかれば、自身の◯年後の働き方が想像しやすいですね。どういう経緯でこの会社に決めたのか、今後デザイナーとしてどうなりたいかなど書かれていることが多いので、注目です。
 

● OB/OG訪問を活用する

就職課にお願いすると、希望の会社のOB/OGを紹介してもらえることがあります。同じ環境で学んでいた先輩は、考え方が近いことも多いはず。その会社についてはもちろん、就活全般についてアドバイスをもらえるかもしれません。OB/OG訪問はできなくても、卒業生が多く就職した会社であれば、説明会などに登場することもあります。働いていて良かったところ、やりがい、大変なことなど、知りたい項目を聞いてみましょう。
また、内定した先輩の採用試験報告書などが就職課に残されている場合には、具体的な選考内容や先輩の所感を見ることができます。面接前などにも活用しましょう。
 

(2)制作物を知る

● 制作実績ページを見る

入社したらどんなものをつくるのか」。デザイナーの就職活動において、もっとも大事といっても過言ではないポイントですよね。事業会社であれば社名がサービス名になっていることもありわかりやすいですが、制作会社の場合は実績ページ必ず調べておきましょう。企業サイトを見たり、「◯◯◯(会社名) 実績」と検索すると別の紹介ページが見つかることもあります。好きなテイストの制作物であれば、入社すればそのノウハウを得られる可能性が高いですよね。
面接では「うちの会社の制作物で好きなものありますか?」と聞かれることもあります。「いいな」と思った理由の言語化もできているとベストです。

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● 使う、プレイする

サービスやゲーム、グッズなど商品として提供されているものはぜひ実際に触ってみてください。社員になったら、商品の提供側になります。誰よりも理解し、“より良くするためにはどうしたら良いか”という視点を求められます。
顧客・ユーザーとして触りながら「どうして面白いと思ったのか」「良いなと思った表現、演出はどうつくられているのか」、「より使いやすくなるにはどんな機能があると良いか」「どうすればもっと面白くなるか」を考えてみましょう。ゲームの場合は、ゲーム実況の動画を見たり撮ったりする方法もありますね。オープニングなど、一部分だけでも分析・言語化するのも勉強になりそうです。

たくさん触れていると、自然と表現の引き出しも増え、自分の制作にも役立ちます。面白い・良いと思ったものはどんどん使い込んでいきましょう!

 

● メイキングなど制作の現場がわかるものを見る

企業サイトやブログ、デザイン専門の雑誌やWEBメディアを探すと、メイキングや裏話が発信されていることがあります。そこからも、制作現場の雰囲気や仕事の流れを知ることができ、企業理解につながります。「ゲームタイトル キャラクターデザイン」「商品名 制作秘話」「〇〇 広告 メイキング」のように検索してみてください。

制作フローを参考にしたり同じコンセプトで自分なりに制作してみたり、自身の作品にいかすこともできます。ポートフォリオに載せてアピールすることもできますね。

 

● 業界関連雑誌を読む

業界関連雑誌には、その業界のトレンドや人気が出そうなコンテンツなどが取り上げられています。調べている企業や制作物が載っていそうな号があればぜひチェックしましょう。
また、そういった雑誌は企業側の意見も踏まえて編集されている場合が多いので、「この時期にこの内容で発信しているということは、制作物の〇〇をPRしたいのかも」など予想することもできます。今どんなものが注目されているかも知れるのでおすすめです。
 

(3)働き方を知る

● 給料や福利厚生、部活動などを調べる

実際に働いたときの自分が具体的に想像できる材料を集めましょう。例えば採用サイトなどで「とある社員の一日」が載っていれば、仕事の流れが想像しやすいですね。また社内サークルや部活動、イベントや勉強会が盛んかどうかも会社を知る材料になります。会社の規模にもよりますが、社内イベントや部活動が盛り上がっている会社は「社員同士のコミュニケーション」を重視していると判断することもできます。
これらについて、どう捉えるかは価値観によって違うため、自分の社会人生活の過ごし方を想像しながら考えてみてください。

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2-2.会社への効果的なアピール方法を考える

次に、会社への効果的なアピール方法を考えながら情報収集をしていきましょう。上でも記載しましたが、就職すると「作り手としてデザインを提供する側の視点」が求められます。そこを意識できると、一歩進んだ企業研究ができると思います。
会社の考え方や求める層にマッチしたポートフォリオやプレゼン準備をしていきましょう。

(1)会社周りを知る

●その会社の制作物の売れ筋を知る

自社製品のある企業に限られてしまいますが、売れ筋や売出し中の商品を通して「作り手、提供側の視点」が少し見えてくると思います。いまその会社がプッシュしている商品はどれか、それはなぜかも把握できていると良いですね。
実店舗やSNS、広告を意識して見たり、会社名を検索したら出てくるサジェストを見たりして探すことができます。「会社名 商品 人気」と検索をかけるのも良いかもしれません。実店舗がある場合には手にとってる人や、商品の置き方などを観察できます。年代や消費者の選び方なども注目してみましょう!(※店舗にいるお客さんに迷惑をかけないよう注意しましょう。)
会社の製品の1ファンでありつつ、ファンが求める一歩先を考える作り手目線を持った存在になれたら良いですね。
 

●ファン層を知る

消費者やユーザー、ファンによるリアルな声から、その会社が求められてることや注目度合いがわかります。例えばその会社のゲームタイトルやサービスの公式SNSがあれば、それに反応している人や、ハッシュタグをチェックできます。
就職したら、お客さんやユーザーを知ろうとする姿勢は必須です。ブログや口コミなどいろんな手段があるので、どんな人がその会社の商品のファンなのか知っておきましょう。その上で、企業はどういうマーケティングをしているかまで考えられるとより良いです。

また、会社そのものの見られ方も就活の判断材料になります。会社の評判なども気になりますよね。退職後独立して活躍されているデザイナーを調べるのも新しい発見がありそうです。

 

(2)求める人物像を知る

●求人情報を見る

企業への効果的なアピール方法を見つけたいときは、求人情報をしっかり読み込みましょう!採用ページや求人票は、企業が「採用したい人物像に当てはまる人に応募して欲しい!」という思いを込めて制作されています。そのため、求める人物像・使えると良いスキル・推奨スキルなど、たくさんのヒントが隠れています。
説明会などで質問ができる場合は自分の行きたい部署の「求める人物像」や「あると良いスキル」を聞いてみましょう。志望度が高い企業であれば、求められるスキルに合わせた作品制作にも挑戦してみたいですね!
 

3.最後に

企業研究をしっかり行うと、会社への共感ポイントや、自分のやりたくないことがわかってくると思います。就活では数ある企業から自分の行きたい会社を見つけなければいけませんが、ポジティブな気持ちだけではなく「自分は〇〇は苦手だ。だから〇〇以外の仕事を探そう」というふうに絞り込んでいくこともできます。
自分のやりたいことがわからないときは、どんな会社や事業があるのか知ることから始めてみましょう。なぜその会社でなければいけないのか、自分なりの理由を探し、アピール材料をしっかり用意ができれば自信をもって選考に望めるのではないでしょうか。一つの会社について詳しく調べると他の企業との違いも比較しやすくなっていくので、身近なところから調べてみてください!

 
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(2021.2.20)
watanabe mako

著者紹介

渡邉真湖watanabe mako

多摩美術大学絵画学科の油画に所属しております。ゲームとアニメと映画が好きです!絵を描いて過ごしています
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