デザインやものづくりが好きな方であれば、将来デザイナーになりたいと考えている方が多いのではないかと思います。「デザイナー」という仕事は、大きく一つにまとめられがちですが、実は同じ「デザイナー」でも、働く業界が違うだけで、任される業務が大きく変わってきます。今回の記事では、これから就活をはじめる方のために、様々なデザイナー職の種類や業務内容を簡単にご紹介します。
編集・執筆 /KANAKO HONDA, AYUPY GOTO
●デザイナーとは
デザイナーとは、視覚的にその物を美しくするために、形・模様・レイアウトなどに工夫を凝らす人のことを指します。
それらの意匠計画や図案、設計を手掛けているのがデザイナーです。デザイナーは作家と異なり、クライアントや依頼する人が存在し、それらのクライアントの意図したものをデザインで表現しています。企業によっては、デザイナーのことを意匠や編集と呼んだりします。
●デザイナーの種類
デザインは多くの分野と関わっているため、自分のやりたいことを“◯◯デザイン”とひとくくりにできない場合もあります。しかし、デザインがどのようなジャンルに分けられているのかを知ることで、自分の目指すデザインがどの分野に含まれているのかを知ることができます。また、それを仕事とするデザイナーの種類を知ることで、将来なりたい職種を決めるきっかけにもなります。
それでは、デザイナーにはどのような種類があるのでしょうか。主なデザイナーの種類と仕事内容を簡単にご紹介します。
グラフィックデザイナー
ポスターやチラシ、商品パッケージなど主に印刷物のデザインの企画・制作をします。グラフィックデザイナーは、アートディレクターやエディトリアルデザイナーと兼ねることも多く、グラフィックデザイナーにも様々な種類があります。
【グラフィックデザイナーの種類】
<広告>
主に雑誌の広告やポスターなど広告のデザインを行います。
<パッケージデザイナー>
主に商品パッケージをデザインを行います。
<CI、VI>
主に会社や商品のシンボルマークやロゴタイプなどのデザインを行います。
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ウェブデザイナー
ウェブサイトの構成企画・デザインなどを行います。最近では、使用する画像の制作や、コーディングまでを行うデザイナーが増えています。ウェブデザイナーは見た目のデザイン性だけではなく、サイトの目的に沿ってユーザーに使いやすく、ユーザーが意図した行動をするデザインを行います。
【ウェブデザイナーの種類】
<UIデザイナー>
サービス画面の見た目などの、デザイン的な設計をします。
<UXデザイナー>
サービスを使用した際に経験や満足度が最大限得られるようなデザインを設計します。
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インダストリアルデザイナー
自動車や家電製品などの工業製品のデザインを行います。工業デザインに加えて、家具やパッケージデザインなどの製品デザインを行うデザイナーをプロダクトデザイナーと総称することもあります。製品の機能性や安全性、コスト面や生産性など様々なことを考えてデザインします。
【インダストリアルデザイナーの種類】
<カーデザイナー>
主に車の内装や外装などのデザインを行います。
<プロダクトデザイナー>
主に製品のデザインを行います。
<家具デザイナー>
主に家具のデザインを行います。インテリアデザイナーと呼ぶこともあります。
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DTPデザイナー
文字や図、写真などをレイアウトした印刷用のデザインを行います。データを実際に印刷するところまでを仕事としています。デザイナーが作成したデータをもとに、修正や加工をして、印刷できるデータを作成するDTPオペレーターと呼ぶこともあります。
【DTPデザイナーの種類】
<エディトリアルデザイナー>
主にパンフレットや小冊子のページデザインを行います。DTPデザイナーの他にも、グラフィックデザイナーが行う場合もあります。
<ブックデザイナー>
主に本の表紙やブックカバーなど装丁デザインを行います。本文などすべてデザインすることもあります。グラフィックデザイナーやイラストレーターなどが行う場合もあります。
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ゲームグラフィックデザイナー
ゲームに登場するキャラクターやゲームに使用する背景などのデザインを行います。制作には主に2DCGや3DCGの技術を使用します。
【ゲームグラフィックデザイナーの種類】
<キャラクターデザイナー>
ゲームのキャラクターデザインを行います。髪型や服装など多くの要素をデザインをする必要があります。
<背景デザイナー>
背景デザインを行います。世界観やキャラクターとのバランスを考えたデザインをします。
<エフェクトデザイナー>
攻撃などの際、ゲームで使われる効果のデザインです。ゲームの演出に重要なデザインです。
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イラストレーター
主に本の表紙、絵本、広告、ポスターなどのイラストレーションを行います。イラストレーターは作家や画家と異なり、クライアントの希望に沿ってイラストを描く必要があります。
【イラストレーターの種類】
<フリーイラストレーター>
フリーランスのイラストレーターです。イラストを描くことだけを仕事にできますが、仕事を自分で探す必要があります。
<社員イラストレーター>
会社に属したイラストレーターです。イラストの他にも事務作業を行うことがあります。
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その他のデザイナー
その他にも専門性に優れた様々なデザイナーが存在します。
・ファッションデザイナー
・テキスタイルデザイナー
・ジュエリーデザイナー
・空間デザイナー
・エクステリアデザイナー
・環境デザイナーなど
●最後に
デザイナーといっても、様々な種類があり仕事内容も異なります。その中で自分に一番合った仕事を見つけることが、デザイナーを目指す就活生のみなさんにとって重要なことだと思います。しかし、デザイナーの種類というのはあくまで仕事の方向性を決めるものであり、そのジャンル以外の仕事ができないということではありません。ジャンルに縛られず、自由に“自分のデザイン”が出来るデザイナーを目指して頑張りましょう!
(2019/07/31更新)
(2015.12.16)
著者
はたらくビビビット
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