グラフィックデザイナーって何?|仕事百科


数あるデザイナーの中でも、美大生の中で特に人気がある”グラフィックデザイナー”。電車内や雑誌、街の看板を中心とした印刷・広告物を扱うイメージが強いですが、就職活動で求人を見てみると、広告以外の業界でも”グラフィックデザイナー”職を募集している場合があります。今回は、そんな”グラフィックデザイナー”の種類や仕事についてご紹介します。

編集・執筆 / KUSUNOKI, YOSHIKO INOUE
イラスト / Miyagi Takumi

目次
  1. グラフィックデザイナーとは
  2. 広告系とゲーム系 それぞれのグラフィックデザイナー
  3. グラフィックデザイナーになるには
  4. 必要なスキル
  5. 最後に


 

1.グラフィックデザイナーとは


グラフィックデザイナーとは、写真・動画・イラスト・文字などを画面に構成する仕事です。一般的に”グラフィックデザイナー”というとパッケージや広告など印刷物をデザインするイメージですが、ゲーム業界では、ゲームの世界観に合わせてキャラクターや背景をデザインする人のことをグラフィックデザイナーと呼びます。

クライアントや企業の意向を汲み取り、第三者にデザインでどのように伝えたら良いかを考え・提案するお仕事のため、高いデザインスキルとコミュニケーション能力が求められます。大変さもありますが、自分が手掛けた作品を世に送り出せるやりがいは大きく、人気も高いです。
私たちの身の回りにあるグラフィックは、色の構成からフォントの大きさまで、グラフィックデザイナーの手によって細かくデザインされています。

 
 

2.広告系とゲーム系 それぞれのグラフィックデザイナー


グラフィックデザイナーは主に、印刷物やWEB関連をデザインする「広告系」、ゲームのグラフィックを制作する「ゲーム系」に分けられます。それぞれの仕事内容を見てみましょう!

広告系グラフィックデザイナー

広告系グラフィックデザイナーは、主にポスターやチラシ、看板のような印刷媒体や、Webサイトに載せるグラフィックを制作します。商品の宣伝や販売促進を目的にデザインされることが多く、クライアントが要望する企画案やコンセプトに応えつつ、訴求すべきターゲット層にマッチするようなデザインを考案することが大切です。
就職後、すぐにグラフィックデザイナーとして活躍できるとは限りません。企業によってはアシスタントとして資料収集などから始めることもあります。大手の広告代理店では、アートディレクターである師匠のもとで仕事を学んでいくそうです。グラフィックデザイナーとして経験を積んだ後アートディレクターになると、任せられる案件の範囲も広がります。

広告系グラフィックデザイナーが制作するもの

・ポスター
・チラシ
・パッケージ
・雑誌(エディトリアル)
・看板 etc……

主な就職先

●広告代理店
●制作会社
●事業会社
●デザイン事務所
●出版社・印刷会社
他にも、社内の宣伝部や商品開発部などで働くことが可能です。

 

ゲーム系グラフィックデザイナー

ゲーム系グラフィックデザイナーは、その名の通りゲームのグラフィックを制作するデザイナーです。ゲームのキャラクターや背景などを制作する役割を担っています。
ゲームグラフィックデザイナーは大きく2種類に分類できます。3D制作ソフトを使う3Dグラフィックデザイナーと、イラストレーションを描く2Dグラフィックデザイナーです。
近年、主流となっているのは3Dゲームの方ですが、スマートフォン向けゲームアプリの制作などにおいて2Dグラフィッカーも活躍しています。2Dと3Dの両方ができる人もいますが、基本的にはそれぞれの得意とするポジションで役割分担されています。2019年現在は2Dデザイナーの求人は減少傾向にあり、狭き門となっています。3Dデザイナーは、求人は多いですが求められるクオリティも高く、どちらにせよ十分なスキルと対策が必要です。

ゲーム系グラフィックデザイナーが制作するもの

・キャラクターデザイン
・背景グラフィック
・エフェクト
・アイコン etc……

主な就職先

●コンシューマーゲームの事業会社(パブリッシャー)
●スマホゲームの事業会社(パブリッシャー)
●ゲーム開発会社(ディベロッパー)

 
 

3. グラフィックデザイナーになるには


グラフィックデザイナーには、まずは一定以上のデザインスキルが求められます。美術大学や専門学校で専門性を身につけてから就職する人が多いですが、独学でスキルを磨いて就職し、活躍している人もたくさんいらっしゃいます。
デザインスキルを伝えるツールである「ポートフォリオ」をつくり、企業に持ち込んだり提出したりして選考を受けていきます。特に広告系グラフィックデザイナーは、中の作品だけでなく、ポートフォリオそのもののクオリティが選考結果を左右することも大いにありえます。選考では、レイアウトや製本・文字の扱いなど、クオリティの高いエディトリアル作品のようなポートフォリオが集まります。

「はたらくビビビット」でもグラフィックデザイナーのポートフォリオ事例を紹介しているので、ぜひ見てみてください!

▼ポートフォリオ百科|グラフィックデザイナー 平田さん

 

▼ポートフォリオ百科|グラフィックデザイナー 山下さん

 

▼ポートフォリオ百科|グラフィックデザイナー 前田さん

 

▼ポートフォリオ百科|背景デザイナー 長井さん

 

▼ポートフォリオ百科|3Dデザイナー E.O.さん

 
 

4.求められるスキル

(1)デザインスキル

トレンドリサーチ力

グラフィックデザイナーはトレンドに沿ったデザインが求められることが多いので、常に新しいものに目を配り、情報収集することが大切です。

基礎画力

基礎画力があると、デザインの構成や配置などの面で役立ちます。基礎画力を上げるには、デッサンやスケッチを重ね、もののかたちを観察しましょう。

色彩センス

色の配置や美しい組み合わせの理論を学び、流行をチェックすることで色彩センスが磨かれます。

(2)アプリケーションスキル

Photoshop

主に写真を加工するソフトです。とても幅広い場面で使われるため、グラフィックデザイナーには必須のスキルです。

illustrator

ロゴデザインや全体的なグラフィックを制作するソフトです。こちらもグラフィックデザイナーには必須のスキルです。

Maya

3Dグラフィックを制作するソフトです。主にゲーム系の3Dグラフィックデザイナーが使用しますが、広告に3Dモチーフが必要なときに使われることもあります。

InDesign

印刷物のページ制作・管理を行うための本格的な文字組版を行うソフトです。ゲームグラフィックデザイナーにはあまり必要ないかもしれませんが、広告系グラフィックデザイナーには必須のスキルです。

(3)コミュニケーションスキル

グラフィックデザイナーは、クライアントが要望する企画案やコンセプトに応えつつ、訴求すべきターゲット層にマッチするようなデザインを考案することが大切です。相手の言っていることはもちろん、”相手が言語化できていないけど伝えたいこと”を読み取ってビジュアル化しなければいけません。学生時代であれば、チーム制作やインターンで、他人と一緒にデザインする経験があると良い訓練になるかもしれません。仕事を円滑に進めるために、重要なスキルです。
 
 

5.最後に


グラフィックデザイナーはクリエイティブで華々しいイメージがあり、とても人気のある職業のため競争率も高いです。広告系もゲーム系も、他の職種の人と一緒に作り上げなければいけないため、コミュニケーション力が大事です。
また、度重なるデザイン修正に根気強く対応する力も必要です。あらゆる面の技術を磨かなければいけない職業ですが、たくさんの人と協力して作品を世に生み出すことに喜びを感じるという人こそグラフィックデザイナーに向いていると言えるでしょう!

 

(2019.4.8)
minami kusunoki

著者紹介

楠みなみminami kusunoki

多摩美術大学メディア芸術コース所属。 イラストを使用したいろいろなデザインを制作しています。 癒しキャラが好きです。
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